12月31日の大晦日は日本における一年の終わりを意味し、この日に「年越し蕎麦」を食べる伝統があります。
このそばを食べる背景にはどのような意味があるのでしょうか？また、最適な食べるタイミングはいつでしょうか？
この記事で、年越しそばの意義とその理想的な食べるタイミングについて説明していきますね！
大晦日に食べる蕎麦の意味と呼び名
「としこしそば」と呼ばれ親しまれているこのお蕎麦は、12月31日の大晦日、新年を迎えるその時に食べるスペシャルな蕎麦です！
スーパーには蕎麦はもちろん上に乗せる海老天なんかもずらっと並び、蕎麦専門店は行列ができますよね（＾＾）
この蕎麦には地域ごとに異なる呼び名があるのをご存知ですか？
以下がその例になります。
・年取りそば
・年切りそば
・寿命そば
・大つごもりそば
「大つごもり」という言葉は、「月ごもり」（月末の事）に由来し、「大」が付くことで一年の最終日、つまり大晦日を示しています。
こんなに地域によっていろいろな読み方があるんだね！でも蕎麦は共通してるのが面白い！！
年越しそばの習慣の始まりは？
年越しそばの風習のいつから始まったのかは、はっきりと分かってはいません。
一説には江戸時代（1603年～1868年）に形成されたと見られているようです。
「大坂繁花風土記（1814年）」という大阪で記された時代後期の文献によると、12月31日に晦日そばを食べる習慣が記述されています。
また、正月十四日には節分を前にしてそばを食べる習慣もあったと記述されており、これは小正月の前日（１月14日）のことを指しています。
この記述から、1814年時点で関西方面においては年越しそばの習慣が存在していた事が分かりますね！
さらに、江戸時代中期頃の商家には、月末に労働者たちを労うために「みそかそば」と称して蕎麦を食べる風習がありました。これが発展して大晦日に特化した風習に変わり、現在の年越しそばの形になったという説もあります。
江戸の時代には蕎麦はとびきりのご馳走だったのだろうなあ〜
年越しそばにはどんな意味が込められているの？
年越し蕎麦にはどんな意味が込められているのでしょうか？気になりますよね。
実は多くの象徴的な意味が込められているのですよ。
一つ一つご紹介しますね。
繁栄と健康を願う象徴として
そばの細長い形状は「長寿」と「繁栄」を象徴しており、大晦日にこれを食べることで一年の健康と幸福を祈願します。
また、家族間の絆を強化し、続くようにとの願いも込められているため、家族で共に食べることが一般的です。
過去を断ち切る意味
そばは他の麺類に比べて切れやすい性質があり、これを大晦日に食べる事で一年の苦難や悪運を「断ち切る」とされています。
また、江戸時代には年末に借金を清算してしまう習慣があり、年越しそばを通じて新年への借金持ち越しを避ける意図もあったと伝えられています。
経済的繁栄の願い
金銀細工の副産物として飛び散る金粉を集めるためにそば粉が使われた歴史がありました。これが金運向上の縁起物としての認識を生みました。
このため、年越し蕎麦を食べる事は、翌年の経済的な繁栄を願う行為とされています。
健康への願望
江戸時代、江戸では脚気が流行していました。
その有効な対策としてビタミンB1が豊富な蕎麦を食べる事が推奨されており、これが新年を健康に過ごすための食事の願掛けとして広がりました。
自然の恵みとして
そばは自然に強い植物であり、この強靭さから、災害や病気からの回復を象徴する食材とされています。
そのため、翌年も健康を維持する願いを込めて食べられています。
一つくらいは何となく知っていたけれど、色んな意味が込められていたんだね！
今年のお蕎麦、いつもよりありがたみを持って食べる事ができそうだ〜！
最適な年越し蕎麦を食べるタイミング
年越しそばの具体的な食べる時間は特に定められていないものの、通常は縁起物として年を越す前に完食されるのが一般的です。
というのも、年越しそばを食べ残すと、その不運を新年に持ち越すことになり、特に金運に悪影響を与えるとされています。
そのため、多くの家庭では大晦日の年を越す前にそばを食べ終えることを心掛けているのですね。
大晦日の夜、除夜の鐘が鳴る時間帯に合わせてそばを食べるのが一般的で、鐘の鳴り始めと共に食べ始め、鳴り終わる前に食べ切ってしまう事が多いですが、これは家庭や地域によって異なる場合もあります。
例えば、以下のような食べ方があります。
– 鐘の鳴り終わる前に完食する
– 年が明ける前に食べ終える
– 年明け後も鐘が鳴っている間は食べ続けても良い
どの家庭も厳格な規則はなく、自由に楽しんで良いし、そうしている家庭が多いようです！
お蕎麦はヘルシーな食事なので、ランチ夕飯に年越し蕎麦を充てる人も多いですが、夜食に充てて、12時頃ギリギリに食べて気分を盛り上げるというのも、やはり年末らしい楽しい食べ方になるのではないでしょうか（＾＾）
地域によって様々な違いがある年越しそば
調べてみると年越しそばは、地域によってその食べ方や伝統、風習が異なっているのが興味深いです。
一部の地域、例えば新潟県や福島県では、「ついたちそば」や「元日そば」と言って、年末ではなく年明けにお蕎麦を食べる風習が根付いているんですよ。
また、他の地域では年越しにうどんを選ぶことで「太く長く」と願う風習もあります。
断ち切る意味合いからの蕎麦とは対極の意味で食べられているのも面白いですよね。
蕎麦よりうどん派の人は、この風習を取り入れても良いかも・・・！
最後に
年越しそばには様々な意味が込められており、いつ食べるかに厳密なルールはなく、地域によって色々と自由に楽しんでいることがわかりました！
一般的にはお蕎麦はざる蕎麦や盛り蕎麦としてシンプルに楽しむことが多く、また、そばは温冷どちらでも美味しく味わえるし、具材も色々工夫できるので様々なメニューもあります。
また12月は新そばが出てくる季節でもあり、新鮮な蕎麦を楽しめる時期でもあるんですね。
家族や友人と共に楽しみながら食べるのがベストですね（＾＾）
どの地域の風習も、年の終わりに対する思いやりと願いを表しているのは同じ。
それぞれの風習を大切にしながら年越し蕎麦を楽しみましょう♪
最後までご覧いただきありがとうございました！
